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核心的なアイデア
"大人は数えたり持ち物にしたりして、大切なものを見失いがちです。本書は、時間をかけて絆を結び、その相手に責任をもつことこそ本当の愛だと語ります。"
重要な洞察
目に見えないものを見る
この本は、数や持ち物では大切なものは測れないと語ります。大人は数字やラベルを信じ、王子さまは気持ちやささいな細部に目を向けます。大人が悪いのではなく、見るべきものを見落としてしまうことが問題なのです。キツネが打ち明ける秘密、つまり、いちばん大切なものは目で見ただけではわからないという考えが、そのことを静かに伝えています。読者は、自分が何を見落としているのかを考えさせられます。
実業家は、星を数えて紙に書き、引き出しにしまえば自分のものになると考えています。けれど、その星をどう思うか、星にどんな意味があるのかを、彼は一度も考えません。
絆を結ぶことは責任をもつこと
キツネは、時間と根気をかけて絆を結ぶことを教えます。一度絆を結んだ相手には、いつまでも責任が生まれます。この考えは、友だちや家族との関係にもそのまま当てはまります。王子さまが、自分のバラに責任があるのだと心に留めている姿は、この本の中心にある誓いのようなものです。
王子さまは、同じバラが五千本咲く庭でも、自分のバラが特別なのは、ガラスの覆いをかけ、水をやってきた時間があるからだと気づきます。
言葉より行いを見る
バラのきつい言葉に、王子さまは何度も傷つきました。けれど、言葉は誇りや照れくささを隠すこともあります。本当の気持ちは、日々の行いに表れるものだと、この本はそっと教えています。言葉の強さだけで相手を決めつけると、大切なものを手放してしまうのです。後悔は、いつも遅れてやってきます。
王子さまは、彼女の言葉ではなく行いで判断すべきだったと後悔します。相手の行いを見ることは、相手を理解する第一歩です。
章ごとの解説
章ごとのあらすじ
※ここから結末までのネタバレを含みます。
第1部 絵と砂漠の出会い
第1章 六歳のとき、ぼくはヘビがゾウを丸ごと飲みこんでいる絵をかきました。大人たちはそれを見て、ただの帽子だと言います。ぼくは絵をあきらめ、地理や歴史、算数や文法を学ぶことにしました。飛行士になってからも、その絵を見せてまわりますが、たいていの人は帽子としか見てくれません。大人は、ブリッジやゴルフ、ネクタイの話のほうを好むのです。同じ絵でも子どもと大人では見え方がちがう、という本書の出発点がここにあります。
第2章 ぼくの飛行機はサハラ砂漠でこわれ、飲み水は八日分ほどしかありません。最初の朝、小さな声が「ヒツジの絵をかいて」と言います。砂漠に子どもがいることに、ぼくは驚きます。一枚目は病気すぎ、二枚目は角があるので雄羊だ、三枚目は年をとりすぎている、と王子さまはことわります。早くエンジンを直したいぼくは、空気あなのあいた箱をかき、「ヒツジはこの中にいるよ」と言います。王子さまの顔がぱっと明るくなり、二人の友情が始まります。うまい絵より想像力が大切だと、物語は最初の一場面で告げています。
第3章 王子さまはぼくの質問にあまり答えませんが、ふとした言葉から、彼が別の星から来たらしいことがわかってきます。飛行機を見て、王子さまはぼくが空から落ちてきたのかとたずねます。ヒツジの住む場所を聞くと、夜は箱が家になると答えます。昼のあいだヒツジをつないでおこうと、ぼくがロープと杭をさし出すと、王子さまはおどろき、「ぼくの星はとても小さいから、いらないよ」と言います。ぼくは、この小さな星の謎に少しずつ引き込まれていきます。ここから、王子さまの出身地をめぐる謎が、物語全体を引っぱっていきます。
第2部 小さな星の暮らし
第4章 王子さまの星は家ひとつ分ほどの大きさしかなく、ぼくは「小惑星B-612」だろうと考えます。その星は1909年に、トルコの天文学者が望遠鏡で一度だけ見つけたものです。ところが国際会議では、彼の民族衣装のせいで、だれも発見を信じてくれませんでした。1920年に、彼がヨーロッパ風の服を着て発表すると、今度は全員が認めたのです。大人は数字が好きで、新しい友だちができると、年齢や収入ばかりたずね、声や好きな遊びは聞きません。大人が数字で人を知ろうとする癖は、本書が最初に投げかける問いのひとつです。
第5章 三日目、王子さまは、ヒツジは低木を食べるのか、そしてバオバブも食べるのかとたずねます。バオバブは教会のように大きく、象の群れでも一本を食べきれないとぼくが言うと、王子さまは、バオバブは小さいうちに抜かなければならないのだと答えます。放っておけば、種は小さな星を割ってしまうのです。だから王子さまは、毎朝、身支度をすませたあとに若木を抜いています。退屈だけれど、とても簡単な仕事だと王子さまは言い、地球の子どもたちへの注意の絵をかいてほしいと頼みます。王子さまの毎朝の仕事は、大切なものを守るには日々の地道な積み重ねが必要だと教えてくれます。
第6章 四日目の朝、王子さまは夕日が大好きだと言い、夕日を見にいこうとします。日が沈むまで待たなければならないとぼくが答えると、王子さまは笑って、いつも自分の家にいるような気持ちになるのだと言います。地球では夕日は遠くにありますが、王子さまの小さな星では、いすを数歩動かすだけで見られるのです。一日に四十三回も夕日を見たこともあるそうです。その日は悲しかったのかとぼくがたずねても、王子さまは答えません。ただ、とても悲しい人にとって、夕日は大切なものになるのだと言います。ぼくは、その言葉の奥にある寂しさを感じ取ります。物語で初めて悲しみがほのめかされ、王子さまの穏やかさの下にある孤独が、そっとのぞきます。
第7章 五日目、王子さまは、ヒツジがとげのある花も食べてしまうのかとたずねます。ぼくはエンジンのボルトに気をとられ、とげなど役に立たず、ひどいものだと、そっけなく答えます。王子さまは、花は弱くて、こわそうに見せているだけだと反論します。ぼくは、まじめな人間で、花のことなど考えていられないと言い返します。すると王子さまは、大人は何でも混ぜこぜにしてしまうと責めます。そして、花の匂いをかがず、星も見上げない、うぬぼれた紳士の話をして、ついに泣き出してしまいます。ぼくは王子さまを抱きしめ、ヒツジのための口輪と、花のよろいを作ろうと約束します。忙しい大人の目と、子どもの気持ちとのちがいが、ここではっきり浮かび上がります。
第8章 王子さまは、自分の星に咲いたバラのことを話します。彼女は、どこから来たのかわからない種から芽を出し、王子さまは大切に見守りました。彼女は身支度に何日もかけ、朝に目覚めたばかりだと言いながら、まだ髪が乱れていると気にします。うぬぼれが強く、わがままで、きつい言葉で王子さまを傷つけることもありました。後になって王子さまは、彼女の言葉ではなく行いで判断すべきだったし、逃げ出すべきではなかったと悔やみます。花は矛盾だらけだと王子さまは言いますが、まだ若すぎて上手に愛せなかったのだとも話します。この後悔は、王子さまの心に重くのしかかり、旅立ちへとつながっていきます。
第9章 王子さまは、渡り鳥の群れに乗って星を出ていきます。出発の朝、王子さまは三つの火山をそうじし、バオバブの若木も抜きました。バラに水をやり、ガラスの覆いをかけようとしたとき、泣きたくなってしまいます。別れのあいさつに、バラは最初は何も言いませんでした。やがて、自分がおろかだったとあやまり、幸せになってねと言います。そして、本当は王子さまを愛していたのに、それを自分のせいで伝えられなかったのだと打ち明けます。彼女は、泣き顔を見られたくないとも言います。この別れは、王子さまが彼女の愛情の深さに気づく転機です。
第3部 六つの小惑星
第10章 最初の小惑星には、白テンの毛皮をまとった王さまが住んでいます。王さまは、王子さまを家来と呼び、あくびをしろとか、すわれとか命じます。ところが王さまのマントが星全体をおおっていて、すわる場所がありません。王さまは、すべてを治めていて、星々さえ自分に従うと得意げに語ります。王子さまが夕日を見たいとたのむと、王さまは夜七時四十分ごろなら条件がそろうと答えました。王子さまは王さまに見切りをつけ、旅を続けます。命令することでしか力を確かめられない人の姿が、この星ではおかしみをもって描かれています。
第11章 二番目の小惑星には、うぬぼれ屋が住んでいます。王子さまが近づくと、彼は遠くから大声をあげ、ファンがやってきたと喜びます。うぬぼれ屋にとって、ほかの男はみんなファンなのです。彼は、ほめるとは、この星でいちばんハンサムで、いちばん身なりがよく、いちばん金持ちで、いちばん賢いと認めることなのだと説明します。王子さまが手をたたくと、うぬぼれ屋は帽子を持ち上げて、何度も礼をしました。王子さまは、そこまでほめられることが大切なのかと首をかしげ、星を出ていきます。賞賛ばかりを求めていると、語り合える相手がいなくなります。そのさびしさが、この星にはよく表れています。
第12章 三番目の小惑星には、酒飲みが住んでいました。空の瓶が並ぶ列と、いっぱいの瓶が並ぶ列の前で、彼は黙って座っています。なぜ飲むのかとたずねると、恥ずかしさを忘れるためだと言います。では何が恥ずかしいのかと聞くと、飲んでいること自体が恥ずかしいのだと答えます。王子さまには理屈が通らず、悲しい気持ちで星を出ていきます。恥ずかしいから飲み、飲むからまた恥ずかしくなる。習慣がわなになるとは、こういうことなのでしょう。本人の内側からは、その循環がなかなか見えないのです。
第13章 四番目の小惑星には、実業家が住んでいます。仕事に夢中で、王子さまの方を見ようともしません。彼は、五億を超える星を持っていると数えてみせます。星を所有しているのだと言い、数字を小さな紙に書いて、引き出しにかぎをかけてしまうのです。王さまは星を治めるものだと王子さまが言うと、実業家は、所有するとは最初にそれを思いついた者のものになることだと答えます。王子さまは、毎日水をやる一輪の花と、掃除をしている三つの火山を持っていると話します。自分が持っていることは花や火山の役に立つが、あなたは星の役に立っていない、と言うのです。実業家は、答えられません。持つことと大切にすることは、どうちがうのか。その問いが、静かに残ります。
第14章 五番目の小惑星は、六つの中でいちばん小さな星です。街灯が一本と、点灯夫が一人だけいます。点灯夫は、決まりどおり夜に明かりをつけ、朝に消します。星の回転が速くなってからは、一分ごとに明かりを点けたり消したりしなければなりません。それでも彼は、休まずに決まりを守り続けます。王子さまは、少し休んだらどうかとすすめますが、決まりは決まりだと返されます。王子さまは、王さま、うぬぼれ屋、酒飲み、実業家のなかで、点灯夫だけはおかしく見えないと感心します。決まりに忠実なことと、ばかばかしく見えることは、別のことなのです。
第15章 六番目の星は、五番目の星の十倍も大きく、大きな本を書く老いた地理学者が住んでいます。地理学者は、海や山や町がどこにあるかを知っています。ところが王子さまが、海や山や町のことをたずねると、彼は答えられません。自分では旅をせず、探検家の報告を書きとめるだけだからです。王子さまが花のことを話すと、地理学者は、花はすぐに消えてしまうので記録しないと言います。王子さまは、自分のバラも消えてしまうかもしれないと気づき、地球へ行くようにすすめられます。本を書く人が、必ずしも世界を見てきたわけではない。その事実が、王子さまを地球へ向かわせます。
第4部 地球と、バラの庭
第16章 七番目の星は地球です。ぼくは、いたずらっぽく数を並べてみせます。王さまが百十一人、地理学者が七千人、実業家が九十万人、酒飲みが七百五十万人、うぬぼれ屋が三億千百万人。つまり、大人は二十億人ほどです。かつては、六つの大陸の街灯に明かりを点す点灯夫が、四十六万二千五百十一人もいたそうです。遠くから見ると、その一団は、オペラのバレエのように順番に明かりを点したり消したりして見えたはずです。小さな星の話から、人間の世界全体へと視点が広がっていきます。
第17章 ぼくは、地球の人間は、ほとんど場所をとらないのだと認めます。二十億人が立っても、太平洋の小さな島に入るほどなのです。アフリカの砂漠に着いた王子さまは、月の光のような色をした、指ほどに細いヘビに出会います。砂漠には人はいないし、地球は大きいのだと、ヘビは言います。さらにヘビは、自分が触れた者を、もともと来た土地へ返せるのだと告げます。王子さまは石に腰かけ、はるか上に浮かぶ自分の星を見上げます。ヘビの言葉はどこか謎めいていて、答えが見つかりません。人間がまだ遠くにいるという事実が、王子さまの孤独をいっそう深めます。
第18章 さらに歩いていくと、王子さまは花びらが三枚だけの、ごく地味な花に出会います。人間はどこにいるのかとたずねると、花は、昔キャラバンが通るのを見たと答えます。人間は六人か七人ほどしかいないけれど、どこにいるのかは分からないのだと言います。風が人間をあちこちへ運んでしまい、根をもたないので、暮らしにくいのだそうです。王子さまは「さようなら」と言い、花も「さようなら」と答えます。この短い場面は、王子さまが人間に出会うまで、まだ遠い道のりがあることを感じさせます。人と人のつながりが、どれほど頼りないものかを、この花は映しています。
第19章 王子さまは高い山に登ります。知っている山は、ひざまでしかない三つの火山だけで、そのうちの消えた火山を腰かけ代わりにします。高いところからなら、この星の人々と、星全体が一度に見えるはずだと思ったのです。ところが見えるのは、針のようにとがった岩だけでした。王子さまが「こんにちは」と呼びかけると、こだまが同じ言葉を返してきます。「ぼくはひとりぼっちだ」と言えば、こだまも「ひとりぼっちだ」と答えます。王子さまは、この星の人々は想像力がなく、言われたことをくり返すだけだと考えます。自分のバラは、いつも先に話しかけてくれたのに、と思い出します。言葉が返ってくるだけでは、心は通じない。王子さまは、そのことを身にしみて感じます。
第20章 砂と岩と雪の長い道を歩いて、王子さまは道を見つけ、道の先に人がいることを知ります。やがてたどり着いたのは、バラがいっぱい咲く庭でした。バラたちは、自分たちもバラなのだと言います。王子さまは、自分の花は宇宙でただ一つだと思っていたので、おどろきます。ここには同じ花が五千本も咲いているのです。王子さまは草の上にたおれて泣きます。ありふれたバラ一輪と、ひざまでしかない三つの火山しか持っていないのだと、気づいたからです。この場面で、王子さまは自分の大切なものを、比べる目で見つめ直すことになります。
第5部 キツネと旅人たち
第21章 悲しい思いをしていた王子さまが遊ぼうと誘うと、キツネは、まだ絆を結んでいないので遊べないのだと答えます。そして、自分と絆を結んでほしいと頼みます。絆を結ぶとはどういうことかと王子さまがたずねると、キツネは、時間をかけて、たがいに大切な存在になっていくことだと答えます。王子さまは、キツネにとっては、たくさんいる男の子の一人にすぎません。でも絆を結べば、二人はたがいにとって、世界にただ一つの存在になります。キツネは秘密を打ち明けます。いちばん大切なものは、目で見ただけではわからないのだと。そして、だれかと絆を結んだら、その相手にはずっと責任があるのだと言います。物語の中心にある考えが、この言葉のなかでいちばん静かに語られています。
第22章 王子さまは、線路の切りかえ係に出会います。彼は、千人単位の乗客を、右や左へ送り出しています。明かりのついた急行列車が、ごうごうと通りすぎていきます。切りかえ係によれば、機関士さえ、乗客が何を探しているのかを知らないそうです。反対向きの列車が通ると、王子さまは、もう戻ってきたのかとたずねます。切りかえ係は、列車の交換なのだと答えます。乗客は眠っているか、あくびをしているだけです。窓におでこを押しつけているのは子どもだけで、子どもだけが自分の探しているものを知っているのです。落ち着かずに動き続ける大人たちの姿が、ここに映し出されています。
第23章 次に王子さまは、のどの渇きをおさえる薬を売る商人に出会います。一週間に一粒飲めば、もう水を飲みたくならないそうです。専門家が計算したところ、この薬で一週間に五十三分の時間が節約できるのだと、商人は言います。その時間で何をするのかと聞くと、好きなことをするのだと答えます。王子さまは、五十三分あったら、泉へゆっくり歩いていくのにと考えます。商人は商売に満足していますが、王子さまには、時間をどれだけ節約するかより、その時間で何をするかのほうが大切に思えるのです。効率を追い求める暮らしに、この章は静かな問いを投げかけます。
第6部 井戸と別れ
第24章 ぼくの飛行機がこわれてから八日がたち、飲み水は最後の一滴まで飲みほしてしまいました。ぼくは、泉まで歩いていけたらうれしいのにと言います。王子さまは、井戸をさがそうと言います。何時間も無言で歩き、夜になると、ぼくは渇きで熱にうかされたように星を見上げます。王子さまは、君ものどが渇いているのかとたずね、水は心にもよいものなのだと言います。砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだと王子さまは言い、眠ってしまいます。ぼくは王子さまを背負って夜を進み、夜明けに井戸を見つけます。この場面で、ぼくは王子さまの言葉を信じて歩き続けることになります。
第25章 井戸は村の井戸のようですが、近くに村はありません。王子さまは縄をとり、つるべを引きます。滑車は、長く眠っていた風見鶏のようにきしみ、王子さまは井戸が歌っているのだと言います。ぼくがつるべを持ち上げ、王子さまの口もとへ運びます。王子さまは、地球の人々は一つの庭に五千本のバラを育てても、探しているものは見つけられないと言います。見つけられるのは、一輪のバラか、少しの水かもしれないのだと。そして、目で見ているだけでは、本当に大切なものは見つからないのだとも言います。ヒツジの口輪の約束を思い出させ、ここが自分の落ちた場所に近いことも話します。ぼくを飛行機へ戻らせ、明日の夜にまた来るように告げます。王子さまは、自分の旅の終わりが近いことを、そっと伝えています。
第26章 次の晩、ぼくは井戸のそばの古い石の壁に、王子さまが腰かけているのを見つけます。王子さまは、だれかと話しているようでした。壁の足元には、金色に光るヘビがいます。ぼくが走り寄ると、ヘビは砂の中へすべりこみ、石のあいだに消えました。ぼくは王子さまを腕に受け止めますが、その顔は雪のように青白いのです。王子さまは、自分の星へ帰るのだと言います。夜空を見上げると、星がみんな笑っているように見えるのだと約束します。そして、今夜は来ないでほしいと頼みます。やがて王子さまは、静かに歩き出します。足首のあたりに黄色い光が走り、王子さまは、木が倒れるように、音もなく砂の上にそっと倒れました。ぼくは動くことができませんでした。この場面は、王子さまが自分の星へ帰る決意をぼくに伝えた瞬間です。
第27章 六年がたった今も、ぼくはこの話をほとんど誰にもしていません。帰ってきたぼくを、仲間は喜んでくれました。ぼくは、ただ疲れていたのだと話しました。夜、星の音を聞くのが好きです。五億もの小さな鈴が鳴っているように聞こえるのです。けれど、ヒツジの口輪に革ひもを付けるのを忘れてしまいました。ヒツジがバラを食べてしまったのではないか、その心配が消えません。夜明けに王子さまの体は見つからなかったので、彼は自分の星へ帰ったのだと、ぼくは信じようとしています。ぼくは、砂漠を旅する読者に、星の下で待ってほしいと頼みます。金髪の子どもが現れたら、ぼくに知らせてほしいのです。ぼくの心にずっと残る問いが、静かに投げかけられて、物語は終わります。
登場人物
- ぼく(飛行士):サハラ砂漠に不時着した飛行士です。子どものころの絵や、王子さまとの出会いを、大人になった今も大切に思い返しています。
- 王子さま:小さな星から来た男の子です。ヒツジの絵をほしがり、バラを大切に思いながら、六つの星と地球をめぐります。大人の世界の不思議さを、まっすぐな目で見つめる存在です。
- バラ:王子さまの星に咲く一輪の花です。うぬぼれが強く、きつい言葉を投げかけることもありましたが、王子さまにとってはかけがえのない存在です。
- キツネ:王子さまが地球で出会う賢い動物です。絆を結ぶことの意味を教え、時間と根気が絆を作ることを示します。
- ヘビ:砂漠で王子さまに出会う、謎めいた存在です。地球は広いと語り、触れた者を来た土地へ返せると言います。物語の終わりに、再び姿を見せます。
- 実業家:小惑星に住み、星を所有していると信じて、数を紙に書いて引き出しにしまっています。持つことと大切にすることのちがいを、王子さまに映し出す存在です。
読書感想文のヒント
『星の王子さま』の感想文を書くときは、印象に残った場面をひとつ選び、「なぜ王子さまはそう感じたのか」を考えるところから始めるとよいでしょう。箱の中のヒツジ、バラの謝罪、点灯夫が休まず続ける仕事など、書き出しのきっかけはたくさんあります。
次のような問いを考えてみてください。登場人物のなかで、いちばん賢いと思うのは誰か。そして、その理由は何か。本に出てくる大人のなかで、身近な人に似ていると感じるのは誰か。物語のはじめで、ぼくが絵をあきらめた場面を、あなたならどう受け止めるか。
書くときは、本の内容を自分の生活に結びつけてみてください。たとえば、時間をかけて仲よくなった友だちのこと、誰かのために続けている小さな習慣、相手の言葉より行いで判断した経験などです。あらすじを並べるだけでなく、自分なりの意見をひとつ、はっきり書くことが大切です。引用をするときは短くし、できるだけ自分の言葉で言いかえましょう。
アクション
今日から実践できるステップ:
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大切なものは、数えるだけでなく、時間をかけて世話をすることで育ちます。毎日の小さな習慣を見直してみましょう。
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相手の言葉がきつく感じたときは、その人がどんな行いをしてきたかを一度ふり返ってみましょう。
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大人の立場から決めつけず、相手が本当に大事にしていることを聞いてみましょう。
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忙しさで立ち止まれないときは、何のために急いでいるのかを一度考えてみましょう。
注目すべき引用
"ひどく悲しいときは、夕日がいとおしくなるものなんだ。(第6章)"
— Antoine de Saint-Exupéry
"彼女の言葉ではなく、行いで判断すればよかった。(第8章)"
— Antoine de Saint-Exupéry
"彼だけは、ぼくにはおかしく見えない。(第14章)"
— Antoine de Saint-Exupéry
おすすめの読者
小学校高学年くらいから大人まで、ゆっくり読み返したい人におすすめです。読書感想文のテーマを探している中高生、子どもと一緒に読みたい保護者、友情や責任について考えたい人にも向いています。
よくある質問
『星の王子さま』は、子ども向けの本ですか。それとも大人向けですか?
どちらでもあるといえます。文章はやさしく、子どもでも物語を追うことができます。一方で、友だちになること、うぬぼれ、大人が忘れがちなことといったテーマは、大人の読者にも深く響きます。年齢を重ねてから読み直すと、新しい発見があるでしょう。
小惑星や登場人物は、何を表しているのですか?
作者は、はっきりとは書いていません。ただ、六つの小惑星に出てくる大人たちは、権力、見栄、恥、欲、決まりきった仕事、知ろうとしない態度など、大人の暮らしにある癖を小さく映していると読めます。
飛行士は、なぜヒツジの絵の代わりに箱をかいたのですか?
王子さまは、三枚の絵をことわっていました。そこで飛行士は、空気あなのある箱をかき、中にヒツジがいると伝えます。王子さまが大喜びしたこの場面は、正確な絵よりも、想像力と根気が大切だということを伝えています。
2015年のアニメーション映画は、原作とどうちがいますか?
これは原作をもとにした別の映画版で、原作そのものではありません。少女や年をとった飛行士といった、原作にはない人物が登場し、物語の枠組みを作ります。原作は、飛行士の思い出として王子さまとの出会いを語ります。
理解度チェック
答えを選ぶと、正解かどうかがわかります。
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六歳のとき、飛行士は何の絵をかきましたか?
ゾウを飲み込んだヘビの絵 — 大人たちはそれを帽子だと見てしまい、飛行士は絵をあきらめました。
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王子さまが最初に頼んだ絵は何ですか?
ヒツジ — 王子さまは、ヒツジの絵をかいてほしいと頼みました。
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星の数を数えて、自分のものだと言っていた小惑星の人物は誰ですか?
実業家 — 星を数えて紙に書き、引き出しにしまっていると話しました。
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キツネは王子さまに何を頼みましたか?
絆を結ぶこと — 時間と根気をかけて、たがいに結びつくことだと説明しました。
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王子さまが地球に来るまでに訪れた小惑星は、いくつですか?
六つ — 六つの小惑星をめぐり、それぞれで大人の姿を見ました。
Antoine de Saint-Exupéry について
サン=テグジュペリ(1900〜1944年)は、フランスの作家であり、郵便飛行の操縦士でもありました。飛行の体験を生かした『夜間飛行』などを書き、『星の王子さま』は1943年に発表されました。1944年、偵察飛行の途中で行方が分からなくなっています。
要約作成者
Software Engineer & Writer
Software engineer with a passion for distilling complex ideas into actionable insights. Writes about finance, investment, entrepreneurship, and technology.
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